2013年2月20日

やっぱり“死にたくない!“

病棟にHIV感染の患者さんがいました。この方は医者嫌いでHIV感染の治療を受けず、免疫力が極端に下がっていました。そのため肺炎を合併して入院していました。回診で病室を訪れるたびに、「もう生きていたくない」と自暴自棄でした。この患者さんは他にも合併症があり、不安定な状態でした。そのような理由から一般病棟でも常にモニターの監視下にありました。

そんなある日、モニターのアラームが鳴り響きました。サチュレーション(酸素飽和度)が急激に低下、呼吸状態が悪化しているサインです。時を同じくして血圧低下、徐脈に・・・。緊急事態です。意識レベルが急激に下がっていく中、でもこの患者さんは「やっぱり死にたくない。助けて!」とこちらをじっと見つめて意思表示しました。その直後、心肺停止状態に。

何度も目の当たりにしてきた命がこぼれ落ちる瞬間。ついさっきまで笑って手を振ってくれた患者さんの容態が急変して、心肺蘇生を2時間以上試み、それでも命を落としていったケースもありました。心臓マッサージを続けながら、そんな命を落としていった患者さんたちのことが頭をよぎりました。

しかしこの患者さんはモニター監視下にあったのが幸いでした。心肺蘇生術を速やかに行うことができたおかげで、心臓がまた鼓動を始めてくれました。

状態が安定してICUから一般病棟に戻ってきたこの患者さんを見ながら、私だったら果たしていつ“命の決断“ができるかを考えました。

20/02/2013に堀籠晶子が次のカテゴリーに投稿しました