2012年5月6日

Lufthansa 3500人従業員削減

Lufthansa Streicht 3500 Stellen in der Verwaltung

Quelle: Financial Times 04.05.2012

今週はまた航空会社に関して紹介しよう。 ルフトハンザが3500人にのぼる従業員数削減計画を今週発表した。ルフトハンザは世界で12万人、ドイツ国内では約60%、7万人強が働いている巨大企業である。ルフトハンザといえば、Airbus 380に続き、ボーイングの最新大型ジェットである747-8を導入し始めたところである。

747-8は一機300Million Euro程度の購入金額でこれを今後4年間で20機導入する予定だそうだ。つまり、新型ボーイングジェットだけでも設備投資金額は毎年1.5Billion Euroを超える。なんとも設備投資の大きな業界なのである。

ルフトハンザは欧州の他の航空会社に比べて比較的順調に業績を伸ばしてきた。easyJet, Ryanair などLCCが大きくシェアを伸ばす一方、Britisch Air, Air France, KLMなど経営状況が悪化し、倒産が噂される中、ルフトハンザはリーマンショックも乗り越え、欧州一の航空会社として着実に売上は伸ばしてきていた。しかし、2010年には1000億円以上の利益を計上していたのが、2011年度の決算では赤字に転落、2012年度は赤字幅がさらに膨らむと予想されている。

Quelle: Süddeutsche Zeitung : 04.05.2012

さて、ここにきて、ルフトハンザが収益がでない状況に陥っているのはなぜなのだろうか? 簡単にいうと、コスト構造と国際線での競争力、またいくつかの買収を繰り返してきたことによると、記事では紹介されている。

まず、コスト構造に関してだが、試しに、Düsseldorf – Munich 間の航空運賃をLufthansa, Air Berlin で調べてみた。例えば、5月中旬に朝7時頃に出発し、夜7時半頃に帰ってくる時間で値段を比べてみると、Lufthansa が371 Euro, Air Berlinが363Euroとほぼ値段が拮抗している。つまり、ルフトハンザもこの経路ではAir Berlinに対抗するために、値段をAir Berlin程度にあわせてきているのである。
 Düsseldorf – Munich 間はドル箱経路でどちらの航空会社も乗客は経験からも80%以上はのせている。となるとどちらの航空会社がこの経路で儲かるかというと、それは両社のコスト構造によってくる。

あまり数字の議論をしなくても、直感でルフトハンザのほうがコストが高いというのは肌で感じる。当たり前だが、ドイツのどこの飛行場へいってもルフトハンザは多くの人員、設備を抱え、またサービスレベルも以前まではAir Berlinなどに比べてよかった。Air Berlinの従業員が8000人であるのに対し、Lufthansaは12万人である。もちろん、国際線のカバー範囲、貨物、金融サービスなど事業範囲は多岐にわたるが、それでもこの数の差は大きすぎる。

前回も述べたが、航空会社のドル箱は長距離経路であり、多数の乗客、少ない着陸回数、多くのビジネスクラス席、これが儲かる定番である。ルフトハンザは欧州の多くの短距離経路では赤字なのであるが、国際線では儲かっている。しかし、近年国際線も競争が激しくなってきている。特にアラブからのEmirates, Ethiad などの航空会社が台頭しこれらの会社に国際線での乗客を奪われているのである。これらの航空会社は燃料が低価格で購入できるので競争力がある。

最後に、いくつかの航空会社買収であるが、Swiss Air買収はうまくいったと報道されているが、Austrian Airlines, Brussels Airlines などは以前うまくリストラ できず、赤字であり、BMIに関しては、減損処理をしてまで売却すると報道されている。
航空会社は設備産業で大きな資産をかかえる一方、完全に国際競争に晒され、また世界的な経済動向に大きく左右される非常にリスクの高い産業である。大型ジャンボを生産する会社はAirbusとBoeingの2社だけだが、航空会社の数は2桁多い。つまり、航空会社の競争は非常に厳しいということである。

さて、今回の人員削減だが、特にKölnのVerwaltung- administration分野から人員削減が予定されているということで、Kölnで1000人以上の職員が仕事を失う可能性があると報道されている。
一度に2000人もアドミを削減してしまって事業が運営していけるのかと心配になるが逆をいうとそれだけ効率経営をしてきていなかったということなのだろう。

08/05/2012に樫森誠一郎が次のカテゴリーに投稿しました