2012年4月29日

シャープ、過去最大の赤字

Quelle: 東京新聞

以前Q-cellsを紹介したが、Q-Cellsはその後、何と破産してしまった。これでドイツのソーラーパネル業界は世界的競争力を失ってドイツ国内にソーラーパネル生産産業がなくなっていくことになるのだろう。さて、振り返って日本のソーラーパネル、液晶パネルメーカーはどうなっているのだろう。日本でソーラーパネルの大手といって名前がでてくるのはシャープとサンヨーだろう。サンヨーはパナソニックに合併されたので、パナソニックと言えるがなんといっても日本国内で液晶パネル生産を今までがんばってきたシャープの存在は大きい。太陽光パネルは液晶分子からつくられるので、シャープはテレビの液晶パネル、また太陽光パネルの両分野でビジネスを展開してきた。それがここにきて大きな収益低下に見舞われている。

問題は、簡単にいうと世界的に液晶パネルの需要が低迷し、かつ韓国勢などに液晶パネル生産で技術的に追いつかれ、価格勝負になり競争力が低下してきたといえるだろう。つまり液晶パネルはコモディティ(廉価製品)になりつつあるのである。大型パネル生産にはまだ技術的課題が多く、パナソニック、シャープとも大型液晶パネルに注力すると発表しているが、液晶パネルはすでに技術的優位性で勝負する時代を過ぎたとみるべきであろう。もちろん、新しい技術として有機液晶パネルなどもある。有機液晶の優位性として言われるのは、LCDバックライトが必要なく薄型化が可能、高効率発光による高画質化、低駆動電力といったところであるが、この分野ではSamsungが大きくリードしているが、現在はTVで使われるような大型パネルはまだ有機液晶は技術的課題が残る。

試しに、電化製品量販店にいって、SONY, パナソニック、シャープ、SamsungなどのTVを比較してみると、ブランド名を隠されたらまずどこの製品の品質が良いかわかる方はまずいないだろう。まだTVはPCのようにデジタル化されデジタル製品はコンポーネントを組み合わせればできてしまい、PC業界でおこったように、コンポーネントを組み合わせて廉価で販売するDELLのような会社に今後は淘汰されていくのかもしれない。

これは、テレビで世界を制覇した日本電化製品産業界にとっては大きな問題である。今期、SONY, シャープ、パナソニックとも大赤字であり、問題はシャープだけに止まらない。

シャープは工場の日本回帰で一世を風靡した亀山工場を台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に46.5%を売却すると発表した。亀山工場といえば、液晶パネルの生産、テレビの組み立てまで一貫して行う垂直統合モデルとして日本国内の生産を維持する、と大きく報道された。しかし不況時には生産設備が大きく経営を圧迫し、生産を続けると在庫の山になる一方、生産を止めると工場が大赤字にあるというジレンマに陥ってしまったのである。

鴻海といえば、Apple。英語名ではフォックスコンという名前で中国で従業員を100万人も雇い、iPhone, iPadなどを生産している会社である。雇用条件で従業員との問題が絶えずいつも新聞を騒がしている。
また、鴻海はシャープ本体にも10%程度出資をすると報道されており、日本家電業界の一雄シャープも今後台湾勢に淘汰されていくのかもしれない。

30/04/2012に樫森誠一郎が次のカテゴリーに投稿しました