2012年4月1日

スマートフォン出荷台数と携帯電話メーカーのトレンド

携帯電話はここ1年でスマートフォンへと大きなシフトをした。日本では携帯電話メーカーのブランド名は今までは大きく宣伝されず、P-xxxx (panasonic), N(NEC), S(Sharp)など頭文字だけを型番の先頭につけることでメーカー名がわかるようになっていたがどちらかというと、たとえばdocomoのNはいいね、というように通信会社の一ブランドというイメージが強かった。

しかしAppleの iPhoneが登場したことでこの構図が大きく変わったのである。ドイツではメーカー名を前にだして宣伝しているので自分の携帯電話のメーカーを知っていると思うが、ここ2、3年で自分の使っている携帯電話のメーカーが変わっただろうか? 自身も以前はSony-Erricson、その前はNokiaを使っていたがここ数年はiPhoneに変わった。個人の経験が象徴しているように携帯電話の業界構造は大きく変わったのである。

Quelle: IDC

図をみると2010年から2011年にかけてのスマートフォンの携帯電話メーカー別の出荷台数、つまり市場シェアが大きく変わっているのがわかる。
世界で2010年に300万台ほどのスマートフォンが売られたのが、2011年には500万台近くまで伸びており、大きな躍進となっているのがApple とSamsung であり、逆にシェアを落としているのがNokiaとRIM (Blackberry)である。

なぜか?Apple以前の携帯電話はそのOS (Operating System), PCでいうところのWindowsを各携帯電話会社がバラバラにつくっており、Nokiaも自社独自のSymbianというOSを使っていた。ところが、Appleの卓越したOSが出現したことにより、他のOSが駆逐され、今はGoogleのAndroidとAppleのiOSに2分されてしまったのである。

Samsung はGoogleのパートナーとなり他社に先駆けてAndroidの新しいバージョンに対応した携帯電話を市場に投入すること、またブランド戦略のうまさで大きくシェアを伸ばした。Samsung は以前は安かろう、悪かろうというイメージであったが、今は若者にターゲットを絞り、Cool, 最先端、といったイメージに変わっている。逆にSONY, Panasonicなどは製品品質は依然として良いというイメージがあるものの、Cool,格好いいというイメージは欧州の若者の間では薄れてしまった。

Nokiaは社長がMicrosoft出身者に代わり、自身の OSをあきらめ、Microsoftとタッグを組み、Windows mobile を自社製品に導入していくと決めて新しいモデル、Lumia を市場に導入したが、社員を1万人以上削減することを発表し大きなリストラに直面している。Nokiaは依然中国、インドなど発展途上国で強いが、このような国にもスマートフォンが大きく成長していくのは時間の問題で、Window mobile phone, Lumiaに社運をかけているといっても良い。つまりLumiaの売れ行き次第で今後さらに会社の経営が厳しくなることは多いに考えられる。NokiaがなぜAndoroid陣営に加わらなかったのかに関しては議論があるところだが、筆者は選択を誤ったと考えている。NokiaほどのジャイアントがMicrosoftというMobile のOSシェアが数パーセント以下のOSを使うということは消費者への選択肢をあまりにも少なくしている。

一方、RIM(Blackberry)は法人向けにセキュリティを強化し自身のサーバーを通じてEmailを配信することで法人向け需要を開拓してきたが、スマートフォンではやはり出遅れている。RIMの販売開始したタッチパッド(iPAD)の競合品はまったくふるわず、現在他の企業に買収されるという話でもちきりである。

Fotoquelle:Nokia Homepage
Fotoquelle: RIM Homepage

さて携帯電話メーカー業界には大きな転機が訪れている一方、通信業者にはどのような変化が起こっているのだろうか、またスマートフォン分野での現在のチャンピオンAppleはどのような戦略をもっているのだろうか? この分野に関してはまた次号以降で触れていきたい。

03/04/2012に樫森誠一郎が次のカテゴリーに投稿しました