2012年2月14日

DAV ドイツ山岳協会

DAV Oberland の主催するSkitourに参加したときの写真 Swiss Engadin にて

バイエルン州に住んでいれば一度はDAVという名前を聞いたことがある人も多いのでは? 
DAV (Deutscher Alpenverein)は世界で一番大きい山岳協会であり、DAVに登録されている355の支部 (Sektionen)で構成されている。支部の運営は独立しており、総数でDAVの会員数は80万人以上にのぼり、中でも一番会員数の多いDAV Oberland とMünchenで会員数はあわせて24万人を超える。

この2つのSektionen では会員数は過去5年以上、毎年10%の伸びを示し、収支に関してもDAV Oberlandの収入は2011年は7 Million Euroを超えた。
これと比較して日本山岳協会、山岳連盟がどれほどの規模かを簡単に比べてみると、日本山岳協会の場合も傘下に山岳連盟を束ねる親協会であり、山岳連盟の団体構成員数は全体で約6万人程度であり、山岳会、団体に所属していることがまずは連盟に加入できる条件である。また東京山岳連盟のhomepage をみると、山岳会に所属していない人でも個人として会員になれるとあるが、こちらの数は900人と非常に少ない。

日本で山登りをした人があれば理解できると思うが、日本の山小屋ははっきりいって宿泊してあまり落ち着くところではない。洗面所、トイレ、食事、どれをとってもアルプスの山小屋とは雲泥の差である。
なぜこれほどの差がでるのか? 理由は2つの協会の根本的な思想の差、山に対する考え方の差にあると筆者は考えている。
ドイツ山岳協会は門出を一般個人に開き、山登りは一部プロフェッショナルの楽しみではなく、一般個人が楽しめるものであるという姿勢のもとに、山に関する講義、勉強会、研修会を多く提供している。
また、Sektionenが所有する山小屋を運営していくためにも、多くの会員に参加してもらい運営費を工面するという側面もある。

12万人にも登る会員のもと、最近ではロッククライミングセンターをミュンヘンで数カ所オープンしており、青少年の会員教育プログラムにも力をいれている。一方、日本山岳協会、もしくは山岳連盟は、山岳団体に加盟していることが条件であり、個人会員というものに力点をおいてこず、 山岳協会に入会するためには一定以上の知識と技量を持ち合わせてないとだめ、という姿勢が濃厚である。
例えば、スキーツアー(雪山スキー)に行くのに欧州では届け出はいらないが、日本では町役場に登山届け、入林届けが必要である。ある意味、玄人でないと、雪山にはいかないでねといっているようなものであり、山登りは大衆スポーツではないのである。

ドイツ人山岳ガイドに聞いてみたが、こちらでは山で遭難するということは滅多になく、雪崩が一番の事故原因であるとのこと。山に入るリスクは自身で負う必要があり、そのために山岳協会も多くの研修を提供し山登りの普及を計っている。
また山登り、雪山ツアーに行く人が多いということは、山岳部の町の観光が潤う。オーストリア、スイスには世界有数のリゾートがたくさんある。
平地が少なく山が多い日本で、安全、自然への影響も考慮しながらもう少し山を一般に開くことができれば、日本の多くの町が欧州級のリゾート地へと変身できるかもしれない。

興味のあるかたは、DAV Oberland, München のHomepage を一度のぞいてみてください。
www.alpenverein-muenchen-oberland.de

15/02/2012に樫森誠一郎が次のカテゴリーに投稿しました