2012年9月30日

Neckermann 62年の歴史に幕を閉じる

neckermann ドイツのメイルオーダー大手が62年の歴史に幕を閉じ、会社の事業を終えることになった。neckermannはすでに7月に破産宣告をしてい新しい投資家を探していたが失敗に終わり、約2000人弱の従業員が失業することになる。多くの従業員はすでに新しい職を見つけているということだが、失業者もでるだろう。

Quelle: Frankfurter Rundschau
Quelle: Frankfurter Rundschau

neckermannという会社をご存知だろうか? もうすぐe-commerce siteも閉じることになるだろうが、neckermannのサイトを一度覗いてみるとどんな会社か感じがつかめるであろう。

neckermann はJosef Neckermann氏によって、1948年に創業された。フランクフルトに本社をもつneckermann は、創業当時は織物の問屋として、カタログ販売を始めたということだが、50年代、60年代を通じ、現在にいたる本のように分厚いカタログに何十万にのぼる品物を揃えたメイルオーダー販売を確立していったということである。

neckermannはこの時代にすでに、一戸建住宅、ディスカウント旅行、保険も販売しはじめたということだからneckermann氏のEntrepreneur としての凄さがわかる。

しかし、1970年代に入り、拡張路線できたビジネスとコストに見合わない安売りで負債がたまりついに、Karstadtに買収されることになり、1980年台までにはneckermann氏とその子供ら家族の経営陣はすべて退陣することになり、neckermannの名前は残ったが創業家族は経営から完全に離れることとなった。

1980年代にKarstadtグループの一員としてスタートしたneckermannであるが、1990年代の終わりにKarstadtがQuelleと統合し、KarstadtQuelleとなり、名前をかえArcandor Konzernが親会社となった。Quelleもカタログ販売の会社であったが Arcandor は両社を存続させることにした。

しかし、2000年代にはいり、Karstadt, Quelleの経営も、neckermannもうまくいかず、ついに、2007年にneckermannは Sun Capitalという投資会社に売却され、2009年にはArcandorも経営破綻してしまった。

これほど栄えた会社が2000年代に入り、あっという間に経営が難しくなり、倒産してしまうというのは、あまりにも市場の変化が激しかったのと、経営者が私欲、 politicsに走り、市場の変化に対応することができなかったということであろう。こう考えると、日本のデパート、百貨店なども過去数年で統合を繰り返しているが、ビジネスモデルが変わっている訳ではないので、将来的に厳しい業界であることに間違いはない。

何が起きたのかを具体的に示しているのが、以下のチャートである。ドイツで一番大きなカタログ販売、e-commerceの会社はなんとAmazonなのである。もうダントツのトップであり、Ottoはなんとか追従している。OttoもE-commerceを充実させ、数々のe-commerceの子会社を立ちあげ、この変化に対応しているが、対するneckermannの e-commerceサイトは使い勝手も悪く、Quelle同様、e-commerceの時代に対応できなかったということであろう。

また、amazonはShop-in-Shopで最近はAmazon内で他社が製品を販売し、チェックアウト、顧客アカウントはAmazonが握るというやり方も取り入れ、販売を増やしているが、neckermannは旧来以前のカタログ販売をe-commerceで補うといやり方で自社で揃えた品物を販売しており人件費が嵩み、e-commerce専業のAmazonなどに比べて高コストであったと考えられる。

7月に倒産したのちに、Sun Capital と交渉が続き、新しい株主も探していたということであったが、交渉が決裂し会社解散となるということである。

60年以上にわたって続いたブランドneckermannが市場から消えることになるが、若い世代にとっては実はあまり知らないブランドにすでになっていたのかもしれない。

30/09/2012に樫森誠一郎が次のカテゴリーに投稿しました